
ガソリン価格が上がるたび、給油機に表示される金額を見て、少しため息が出ます。
特に地方では、通勤や買い物、子どもの送迎などに車が欠かせません。「ガソリン代を節約したいから、できるだけ車に乗らない」という割り切り方が難しい家庭も多いと思います。
燃費のよい車へ買い替えるのも一つの方法ですが、そのためにまとまったお金が必要になるのも事実です。
まず考えたいのは、今乗っている車のままで、無駄な移動を少し減らせないかということです。
一回あたりの節約は小さくても、車を使う日が多い家庭ほど、その差は一年を通して積み重なります。
用事をまとめて、車を出す回数を減らす
ガソリンを節約する方法として、最初に見直したいのが「同じ日に何度も車を出していないか」という点です。
たとえば、子どもを学校へ迎えに行ったあと、いったん自宅へ戻り、夕方になってから再び買い物へ出かけることがあります。
学校から自宅までの途中にスーパーがあるなら、帰宅前に買い物を済ませたほうが走行距離を減らせます。
出かける前に、その日の用事を書き出す
用事をまとめるときは、出発前に次のような予定がないか確認します。
- スーパーやドラッグストアでの買い物
- 銀行や郵便局での手続き
- 宅配便の発送や受け取り
- 家族の送迎
- クリーニング店への持ち込みや受け取り
すべてを一度で済ませようとすると、かえって慌ただしくなります。無理に予定を詰め込むのではなく、「同じ方向にある用事を一つ追加する」くらいから始めるのが現実的です。
買い忘れを減らすだけでも車の利用は減らせる
地方では、ちょっとした買い忘れでも車を使うことがあります。
牛乳や洗剤を一つ買うために往復数km走ることが続けば、ガソリン代だけでなく時間も使います。
買い物リストをスマートフォンで共有したり、なくなりそうな日用品を早めにメモしたりすると、買い忘れによる追加の外出を減らせます。
派手な節約方法ではありませんが、こうした小さな準備が意外と効いてきます。
近距離の用事は、徒歩や自転車も選択肢にする
以前は「目的地の途中で車を降り、残りの1〜2kmを歩く」という節約方法が紹介されることもありました。
しかし実際には、途中に自由に車を置ける場所があるとは限りません。駐車料金がかかったり、駐車場所を探すために余計に走ったりすれば、節約にならないこともあります。
現在の暮らしに取り入れやすいのは、最初から近距離の用事だけを徒歩や自転車に置き換える方法です。
すべての近距離移動を変える必要はない
重い荷物がある日、雨や雪の日、暑さが厳しい日まで無理に歩く必要はありません。
次のような条件がそろったときだけ、車を使わないと決めておくと続けやすくなります。
- 片道1km前後で歩道や安全な道がある
- 荷物が少ない
- 天候や気温に無理がない
- 時間に余裕がある
- 体調に問題がない
仮に往復2kmの外出を週3回、徒歩や自転車へ置き換えると、単純計算では年間約312km分の走行を減らせます。
実際の節約額は車の燃費やガソリン価格によって変わりますが、近距離の用事が積み重なっている家庭ほど効果を感じやすいでしょう。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、今より少しでも多く体を動かすことが勧められています。ガソリン代の節約だけでなく、運動不足を見直すきっかけにもなります。
猛暑日や積雪時、体調が悪いとき、歩道のない道路などでは安全を優先してください。節約のために危険な移動を選ぶ必要はありません。

距離だけでなく、移動する順番と時間を考える
複数の場所へ行くときは、単純な最短距離だけでなく、回る順番も考えてみます。
自宅から最も近い場所を最初に選んでも、そのあと同じ道を戻ることになれば、全体では遠回りになる場合があります。
地図アプリやカーナビに目的地を入力し、大まかな位置関係を確認してから出発すると、行ったり来たりする移動を減らせます。
混雑する時間を少し避ける
距離が短い道でも、渋滞や信号待ちが多ければ、移動時間と燃料消費が増えます。
買い物の時間を30分ずらす、通勤時間帯を避けて用事を済ませるなど、出発時間を少し変えるだけで走りやすくなることもあります。
環境省の「エコドライブ10のすすめ」でも、出発前に渋滞や交通規制を確認し、時間に余裕を持って出発することが推奨されています。
知らない場所へ行くときは、駐車場の入口まで確認しておくと安心です。目的地の周辺で迷い、何度も同じ道を走ることを防げます。
同じ目的地へ行く人がいるなら相乗りを検討する
職場や学校の集まり、地域の行事などで、近所の人と同じ場所へ向かうことがあります。
それぞれが一台ずつ車を出すより、都合が合う人同士で相乗りしたほうが、全体のガソリン代や駐車料金を抑えられます。
毎回同じ人が車を出すのではなく、順番を決めて交代すれば、負担も偏りにくくなります。
相乗りは予定とルールを先に確認する
相乗りをするときは、節約だけを優先せず、次の点を確認しておきましょう。
- 集合時間と帰る時間が合っているか
- 途中で別の用事がないか
- チャイルドシートなど必要な装備があるか
- 運転する人に負担が偏らないか
- ガソリン代や高速料金をどう分けるか
友人や知人との相乗りで費用を分担する場合は、ガソリン代や高速料金など、実際にかかった費用の範囲で考えるのが基本です。
運転の対価として利益が出るようなお金を受け取る行為は、単なる費用の割り勘とは扱いが異なる場合があります。
乗車定員を守り、全員がシートベルトを使用してください。万一に備え、自動車保険の補償内容や運転者の範囲も事前に確認しておくと安心です。
走行距離を記録して、続けられる節約方法を残す
ガソリンの節約は、実際にどのくらい効果が出ているのか分かりにくいものです。
そこで、給油時の走行距離や給油量を簡単に記録しておくと、車の使い方を振り返りやすくなります。
記録方法は、車の燃費計、スマートフォンのメモ、給油管理アプリなど、自分が続けやすいもので十分です。
細かく管理しすぎない
毎日の移動をすべて記録しようとすると、面倒になって長続きしません。
まずは月に一度、次の項目だけ確認してみます。
- 月間の走行距離
- 給油した回数と量
- ガソリン代の合計
- 車で行かずに済ませた用事
走行距離が減っていれば、用事をまとめたり、近距離を歩いたりした効果が数字に表れます。
反対に、生活が不便になったわりに大きな変化がなければ、その方法を無理に続ける必要はありません。
節約は、苦労の大きさを競うものではないと思います。家族の負担が少なく、自然に続けられる方法だけを残していくほうが、結果として長い節約につながります。

まとめ|車を使わないのではなく、無駄な移動を減らす
地方で暮らしていると、車を使う回数を大幅に減らすのは簡単ではありません。
だからこそ、必要な移動まで我慢するのではなく、無駄になっている部分だけを見つけることが大切です。
- 同じ方向の用事をまとめる
- 買い忘れによる追加の外出を減らす
- 安全に歩ける近距離だけ徒歩や自転車にする
- 移動する順番と混雑する時間を考える
- 予定が合う人とは相乗りを検討する
- 走行距離を記録して効果を確認する
一度の工夫で節約できる金額は、それほど大きくないかもしれません。
それでも、車を出す前に「この用事はまとめられないだろうか」と少し考える習慣がつくと、無駄な走行は少しずつ減っていきます。
車が欠かせない暮らしだからこそ、無理に手放すのではなく、使い方を静かに整えていく。そのくらいの節約が、いちばん続けやすいのではないでしょうか。