ガソリン価格が上がると、給油のたびに家計への負担を感じます。
特に地方では、通勤や買い物、子どもの送迎などで車を使わないわけにもいきません。世帯で2台、3台と所有していれば、ガソリン代だけでもそれなりの金額になります。
とはいえ、燃費のいい車へすぐに買い替えられる家庭ばかりではありません。今ある車をできるだけ長く使いながら、日々の出費を少しずつ抑えたいという人のほうが多いのではないでしょうか。
今回は、車を買い替えなくても実践できるガソリン代の節約方法を5つにまとめました。
大きな我慢をするというより、運転や給油の習慣を少し整える話です。全部を一度に始める必要はありません。できそうなところから試してみてください。
1.急発進を避け、加速と減速の少ない運転をする
ガソリン代を抑えるうえで、最初に見直したいのが運転の仕方です。
環境省の「エコドライブ10のすすめ」では、穏やかに発進する「ふんわりアクセル eスタート」が推奨されています。最初の5秒で時速20km程度を目安に、アクセルをゆっくり踏む運転です。
環境省によると、穏やかな発進を心がけることで、燃費が10%程度改善する場合があります。
ただし、「とにかく遅く走ればよい」ということではありません。周囲の交通を妨げない範囲で、無駄にアクセルを踏み込まないことが大切です。
車間距離を少し長めに取る
前の車との距離が近いと、相手の動きに合わせてアクセルとブレーキを何度も操作することになります。
車間距離に余裕を持っておくと、前方の信号や交通の流れを見ながら速度を調整しやすくなります。一定の速度を保ちやすくなるので、燃費だけでなく運転の疲れやすさも変わってきます。
止まることが分かったら早めにアクセルを離す
赤信号や渋滞の列が見えているのに、直前までアクセルを踏み続けると、そのぶん燃料を余計に使ってしまいます。
停止することが分かった時点で早めにアクセルを離し、エンジンブレーキを使いながらゆっくり減速します。環境省では、この運転によって燃費が2%程度改善するとしています。
急ブレーキを減らすことにもつながるため、安全面でも取り入れやすい方法です。
2.タイヤの空気圧と車の状態を整える
運転に気をつけていても、車の状態が悪ければ燃費は落ちてしまいます。
なかでも見落としやすいのが、タイヤの空気圧です。
タイヤの空気は、パンクしていなくても少しずつ抜けていきます。日本自動車タイヤ協会は、少なくとも月に1回、タイヤが冷えている状態で空気圧を確認することを勧めています。
指定値は、一般的に運転席ドア付近のラベルや車の取扱説明書に記載されています。
環境省によると、空気圧が指定値より50kPa不足した場合、市街地では2%程度、郊外では4%程度燃費が悪化します。空気圧不足はタイヤの傷みや事故にもつながるため、節約以前に安全のためにも点検しておきたいところです。
自分で確認するのが難しい場合は、ガソリンスタンドやタイヤ販売店などで相談できます。ただし、点検や調整が無料かどうかは店舗によって異なります。
車内の不要な荷物を降ろす
車に積んだままの荷物も、一度整理してみましょう。
環境省では、100kgの荷物を載せて走ると燃費が3%程度悪化するとしています。数kg程度の荷物を神経質に減らす必要はありませんが、使っていない工具、アウトドア用品、季節外れの荷物などが積みっぱなしになっているなら、降ろす意味はあります。
ルーフボックスやキャリアも、使わない時期は外しておくと空気抵抗を減らせます。
エンジンオイルは車ごとの指定時期に交換する
以前は「エンジンオイルは5,000kmごとに交換」と一律にいわれることもありましたが、現在は車種やエンジン、オイルの種類、使用状況によって交換時期が異なります。
短距離走行を繰り返す、山道をよく走る、重い荷物を載せるといった使い方では、通常より早い交換が必要になる場合もあります。
距離だけで判断せず、取扱説明書やメンテナンスノートに記載された時期を確認するのが確実です。必要以上に早く交換し続けることも、節約という意味では避けたいところです。
3.「最短距離」より、止まらず走れるルートを選ぶ
ガソリン代を抑えようとすると、つい最短距離の道を選びたくなります。
ただし、距離が短くても信号や渋滞が多ければ、停止と発進を繰り返すことになります。到着までの時間が長くなり、結果として燃料を多く使うこともあります。
ナビアプリを使うときは、距離だけでなく次の点も見ておくと選びやすくなります。
- 渋滞や交通規制が発生していないか
- 信号や右折待ちが多すぎないか
- 極端な坂道や細い生活道路を通らないか
- 到着時間にどの程度の差があるか
少し遠回りでも、一定の速度で走れる道のほうが燃費と時間の両方を節約できる場合があります。
また、出発前にルートを確認しておけば、道に迷って余計に走ることも防げます。環境省の資料では、1時間のドライブで道に迷い、10分余計に走ると、燃料消費量が17%程度増える例が示されています。
地方では道路の選択肢が少ない地域もありますが、「混みやすい時間を少し外す」だけなら取り入れやすいかもしれません。
4.エアコンとアイドリングを無理のない範囲で見直す
車のエアコンは、使い方によって燃費に影響します。
特に冷房や除湿で使うA/Cは、エンジンに負荷がかかります。必要以上に車内を冷やさず、設定温度や風量を調整するだけでも無駄を減らせます。
一方で、暑い日にエアコンを我慢するのは危険です。熱中症を避けることが最優先なので、節約のために無理に止める必要はありません。
また、「エアコンを切って窓を開ければ必ず燃費がよくなる」とも限りません。高速走行中に窓を大きく開けると空気抵抗が増えるため、状況によっては燃費に不利になります。
冬場も、フロントガラスの曇りを取るためにA/Cが必要なことがあります。安全に関わる場面では、迷わず使用しましょう。
長時間のアイドリングを減らす
待ち合わせや休憩中にエンジンをかけたままにしていると、走っていなくても燃料を消費します。
環境省によると、エアコンを使用していない状態でも、10分間のアイドリングで約130ccの燃料を使います。
ただし、信号待ちで手動によるアイドリングストップを行うのは、安全装置やブレーキ、再始動などの面で注意が必要です。自動アイドリングストップ機能が付いていない車では、待ち合わせなどで安全に停車しているときにエンジンを切る程度にしておくのが現実的です。
極端な寒冷地などを除けば、現在の乗用車は長時間の暖機運転を必要としない車が一般的です。エンジンをかけたら、負担をかけないよう穏やかに走り始めるほうが燃料を無駄にしにくくなります。
5.給油する店と支払い方法を固定する
運転方法を変えなくても取り組みやすいのが、給油価格の見直しです。
同じ地域でも、ガソリンスタンドによって1Lあたりの価格が数円違うことがあります。ただし、安い店を探して遠くまで走ると、燃料と時間を使ってしまいます。
おすすめは、普段の通勤や買い物ルートにあるスタンドを2~3店舗ほど比較し、その中から使いやすい店を決める方法です。
アプリや会員価格を確認する
ガソリンスタンドによっては、次のような割引があります。
- 会員価格
- 公式アプリのクーポン
- メールやLINEで配布されるクーポン
- 指定クレジットカードによる値引き
- 共通ポイントや独自ポイント
- 給油量や利用回数に応じた特典
ただし、割引内容や対象となる決済方法は店舗ごとに違います。スマホ決済に対応しているスタンドでも、すべてのブランドや給油機で利用できるとは限りません。
ポイント還元率だけを見るのではなく、値引き後のガソリン価格と普段の使いやすさを含めて比較したほうが、結局は長続きします。
クレジットカードを新しく作る場合も、ガソリン代の値引きだけで判断せず、年会費や利用条件まで確認しておきましょう。
高速道路に入る前は残量を確認する
高速道路のサービスエリアやパーキングエリアでは、給油できる場所が限られています。営業時間が決まっているスタンドや、給油所のない区間もあります。
長距離移動の前は、できるだけ余裕を持って給油しておくと安心です。
高速道路上のガソリン価格はNEXCO各社のウェブサイトで確認できます。必ずしも一律に「一般道より○円高い」とはいえないため、必要に応じて最新価格を確認するのが確実です。
燃費を記録すると、小さな変化が見えやすい
ここまでの工夫が実際にどのくらい効いているのかを確かめるには、燃費を記録するのがいちばん分かりやすい方法です。
車の燃費計を確認するだけでも構いませんし、満タン給油した量と走行距離から計算する方法もあります。
燃費(km/L)=走行距離÷給油量
たとえば月800km走る車の燃費が12km/Lから13.2km/Lへ10%改善した場合、月の使用量は約66.7Lから約60.6Lになります。
仮にガソリン価格を180円/Lとして計算すると、差額は月約1,100円です。年間では約1万3,000円になり、車が2台あれば影響はさらに大きくなります。
もちろん、季節やエアコンの使用、道路状況によって燃費は変わります。毎回の数字に一喜一憂するより、数か月単位で傾向を見るくらいがちょうどよいと思います。
まとめ|一番続けやすい方法から始める
ガソリン代の節約というと、安いスタンドを探すことに意識が向きがちです。
しかし実際には、穏やかな運転、タイヤの空気圧、渋滞を避ける工夫など、給油する前にできることも少なくありません。
- 急発進や急減速を減らす
- 月に1回、タイヤの空気圧を確認する
- 渋滞や無駄な遠回りを避ける
- エアコンとアイドリングを適切に使う
- 普段使いしやすいスタンドの割引を活用する
一つひとつの効果は、小さく見えるかもしれません。
それでも、地方で車を毎日使い続けるなら、その小さな差は毎月積み重なっていきます。車を手放したり、すぐに買い替えたりしなくても、今の暮らしのままで見直せる部分はあります。
まずは次の給油まで、急な加速を少し減らしてみる。そんな無理のない始め方でも十分です。